難しい課題をトライしていると、スタティック(静的にジワジワと取ること)に出られなくて、進めなくなることがありますよね
それを解決するためにデッドというムーブがあります!
本記事ではデッドについて解説していきます

デッドってなに?
デッドとは文字通りデッド(落ちながら)行うムーブです
具体的には落ちていっている間に、次のホールドを掴むムーブです
元々持っていたホールドを完璧に保持できていなくても、次のムーブに移れるため非常に便利です
どんな時に使うの?
前述の通り、ホールドを完璧に保持しなくても大丈夫です
逆に言えば、ホールドを保持しきれない時に、使用するムーブです
- 次のホールドを取る時の体勢が、今のホールドだと効かない
- タメを作る余裕が無い
- 挟み込むように効かせるホールド
こういったシーンでデッドを重宝します
どうやってやるの?
なにも考えず片手を離すと、壁から剥がれてホールドに届かないですよね?
逆に言えば壁から離されなければ、次の手が取りやすいです
これを解決してあげるだけで、デッドをマスターできます
突然ですが問題です
下の写真①のように、壁に張りつきながら出る方法と
写真②のように壁から離れた地点から、壁に向かいながら出る方法
どちらが目的地点での壁との距離が近いでしょうか?

答えは②です
みなさんが愛して止まない物理の公式を使えば簡単にわかります
①の壁との距離Yを求める公式は、次のようになります(gは重力加速度、Tは次のホールドに到達した時間)
Y1=1/2gT2
それに対して②は重力に逆行する初速Vo、最初から離れている距離Yoがあるため、次の式で表すことができます
Y2=Yo+(1/2gT2-VoT)
壁と体の距離を縦軸に、時間を横軸にグラフを作成するとこうなります

このグラフを読み解くと、次のことがわかります。
- ①は重力に引かれて時間経過と共に落ちている
- ②は重力の力を受けつつも、一定の時間までは壁に向かって進む。
- 初速が重力によって打ち消されてから、落下が始まる
また、壁から離される速度に注目すると、②のムーブの隠された利点が分かります
先ほど挙げた距離の式を時間tで微分すれば、下の式とグラフが書けます
V1=gT
V2=gT-Vo
遅い速度の方が一瞬のタイミングで取るより、簡単なことは感覚的に理解できます
以上の理由から、②の出方が優れていることがわかります
この出方は上に出る時も、横に出る時も同様に優れています
まとめ
- 壁から剥がされる前に次の手を取る
- 壁から離れて飛び出す
- 壁に向かって飛び出す
以上の3点を意識すれば、簡単にデッドをできるようになります
4級を超えたら次はボリューム層の3級です
憧れていた先輩クライマーに近づきましょう!
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